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together when...


Sound Horizon『Roman』のイヴェールとオーギュストです。
浜崎あゆみの「Together When...」を聴いて書きました。

オーギュスト死にネタ。

一番下の方に言い訳みたいなものが書いてあるので
嫌な方は飛ばしてくださいませ><;;













「何が、足りないんだろうな…」




呟いて、オーギュストは『彫像』を見つめた。
彼がこの『彫像』の作製に着手してから、どれくらいの時間(とき)が経っただろうか。
僕にとっては短くても、
“人間”にしてみたら、かなりの年月が過ぎていると思われた。
『彫像』は、もう殆ど出来上がっていた。
むしろ、これでもう既に完成しているのではないかと僕は思っていた。
だが彼は、未だ足りない“何か”を探し続けていた。




「…僕は芸術のことはよく分からないけど、
 オーギュストは『素描力』はもう充分に持っていると思う」




丁寧に手が施された『彫像』。
ひとの手で、ただの石がこんなに美しい『彫像』になるということは
僕にとっては大きな驚きだった。
こんなすごいものが出来たらもう充分だと思うのだが
彼は気に入らないらしい。
随分と長い間、彼と一緒の時間(とき)を過ごしたが、
オーギュストの考えがよく解らないことは未だにあった。




「それから、『後悔』も、もう充分足りていると思う」




でも、これだけは言える。
オーギュストは、昔のことを引き摺り過ぎだ。




「『後悔』はしなくたって、過去は『生』き続ける。
 だけど『後悔』をしていると、未来は『死』んでしまう」




僕には、過去も、未来もない。
贖うべき罪も無ければ、振り返るべき軌跡も無かった。



でも、僕は不幸ではない。



こうして、人々の『人生』をみることで
沢山の『物語』を識ることが出来るのだから。




「そんなもの、誰の為にもならない。オーギュストの為にも、
 他の“誰か”の為にも」




だから、
オーギュストには明るい未来を迎えてもらいたかった。
彼の昏い過去を知ってしまったから
彼の辛い現在(いま)を視てしまったから



オーギュストには、幸せになってもらいたかった。




「…イヴェール」




今まで黙って『彫像』を眺めていたオーギュストが振り返った。
銀色の髪が、きらきらと光りながら揺れる。
彼は僕の瞳を真っ直ぐに見つめていた。




「君には、いつも救われているな…。ありがとう」


「ッ…」




そして、
オーギュストは、とてもきれいな顔で微笑(わら)った。
彼の笑顔は本当にきれいで、きれい過ぎて
壊れてしまうんじゃないかと、僕は恐くなった。




「そんなの…」




言葉が、繋げなかった。
僕の一言が、そのきっかけになってしまうんじゃないかと思うと
すごく、恐かった。




「…いや、なんでもない。…じゃあ、…僕はもう往くから…」


「あぁ。次に君が来るときには、“これ”も完成しているかもしれないな」


「そうか…。じゃあ…またね」








“また”。








「ありがとう」という一言を
それに置き換えて、消した。










“次に僕が来たとき”
言葉通り、『彫像』は完成していた。
その背いっぱいに美しい羽を広げた、『天使の彫像』。
“足りないもの”は、ちゃんと見つけられたようだった。



だが、



共に完成を祝うべき“彼”は
もう、動かなくなっていた。



あの時
「ありがとう」と言えなかったのは
それが、永遠の別れになってしまうような気がしたから。
「ありがとう」なんて言ってしまえば
それが、最後になってしまうような気がしたから。



本当は、言いたかった。



お礼を言うべきなのは、僕の方だ、て。
僕は、オーギュストに色々なものをみせてもらった。
オーギュストに沢山のことを教えてもらった。
オーギュストに出逢えたから、ひとを好きになることができた。
愛してる。
オーギュストが、大好きだ、て。
「ありがとう」、て。








言いたかった、のに―――――――








「…オーギュスト」




オーギュストの傍らにしゃがみ、その身体に触れる。
自分と同じ冷たさ。
揺すっても、オーギュストは起きてくれなかった。
銀色のくせ毛がオーギュストの白い顔を覆った。




「……ねぇ…。僕、生まれ変わっても君を…オーギュストを、探すよ」




話しかけても、応えは返ってこない。
微笑んでも、くれない。
それでも構わなかった。
否、
それは“考えないように”した。




「また僕に生まれ変わっても、たとえ僕に生まれ変われなかったとしても、
 絶対に、君を見つけるよ」




押し寄せる、深い深い“闇”。
その大きな“感情”に押し潰されそうになる。
オーギュストには、本当に色々なことを教えてもらった。
もう、この『地平線』(せかい)で知らないことは無いんじゃないかと思うくらい
沢山。たくさん。



でも、



大切な人の『死』というものを








僕は、ちゃんと理解出来ていなかったみたいだ。








「そうしたら…次は、ちゃんと言うから…」




だから、少しだけ待っていて、と。



それはオーギュストへではなく、自分への約束。
次がある。
また逢える。
何度だって『繋が』れる。
そう思わないと、先に進めなかった。
これで「さよなら」なんて、思いたくなかった。








「…それじゃあ、…またね…オーギュスト……」








“また”。



そう言ってオーギュストに背を向けた。



一歩。



そしてさらに一歩、離れた。









やはり、応えは返ってこなかった。

















歌を聴いて、後半の部分を書きたくてこれを書きました。
最後から書いていき、あとから無理やり前半を付け足したら
前半と後半で全く違う話みたいになってしまいましたorz
違和感がありましたら申し訳ありません;;
一瞬でも「いい」と思って頂ける部分がありましたら幸いですorz






2008⁄12⁄13(Sat) 01:18   .SoundHorizon ss | Comment(0) | | ↑Top


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(2012/01/19)
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