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それはどちらの我が儘だろうか


Sound Horizon『Roman』より、イヴェール→オーギュストです。
タナトスとオーギュストもひっそり主張。




















彼は、いつもふらりとやってくる。























「ねぇ、オーギュスト。君はいつになったら、僕をみてくれるんだ?」




キッチンから戻ってきて、早々に投げかけられた質問。
持ってきた紅茶をイヴェールの前に置き、
テーブルを挟んだ真向いに、オーギュストは腰かけた。
湯気の向こうで、イヴェールはテーブルに着いた両肘に顔を乗せ、
つまらなそうな無表情でこちらを見ている。




「…何がだ?私は今だって、君を見ているではないか」


「違う。そうじゃない」




イヴェールの両手がテーブルに置かれた。
真向かいにいて、こうして話しをしているのだから、見ていない筈は無いではないか。
そう思ったのだが、イヴェールは首を横に振る。
彼の口調は少し苛立っているように感じられた。




「確かに君の両目は僕を見ているけど、
 君の心はいつだって“それ”に向いているじゃないか」




“それ”と呼ばれて顎で指されたのは、造りかけの彫像。
イヴェールはひとの感情に敏感だった。
表向きの行動よりも、内面の想いを感じとる。
私が彫像造りに必死なものだから、拗ねているのだろうとオーギュストは思った。




「それは…。…だが、完成が近いんだ。これが完成したら…」


「君は、死ぬ気だろう?」




ドクン、と心臓が脈打った。
オーギュストの言葉に割って入った、イヴェールの声。
先程までと同じトーンで、同じ表情で言われたそれが、妙に冷たく感じられた。
突き刺さるようなその言葉。
反射的に、オーギュストはイヴェールから目を逸らした。
死ぬつもりなんて無いのに、否定が出来ないのは何故だろうか。




「君が死んだら、君の魂は“あいつ”のものになる」




だが、イヴェールはオーギュストに応えを求めていなかったらしい。
オーギュストの様子を気にも留めずに、言葉を続けた。




「…あいつ?」


「君を…オーギュストを、あいつに渡したくない」




イヴェールは一体何の話をしているのだろう。
「あいつ」とは一体誰なのだろうか。
そんな疑問を抱くオーギュストの声などまるで聞こえていないように、
イヴェールは話し続ける。
それは苛立ちというよりも、むしろ焦り。そして哀しみ。




「オーギュストが僕をみてくれなくても、構わない。だけど…、だから、」




一度言葉を切ったイヴェールは
視線を落とした後、改めてオーギュストの瞳を見詰めた。
彼のこの瞳が苦手だった。
哀しげで、真剣な、憂いを帯びた瞳。




「だから、死なないでほしい」









胸がぎゅぅっと締め付けられる。









「……イヴェール…それは、」


「死なないで、ほしい」




イヴェールはオーギュストの瞳を真っ直ぐに見詰めて繰り返した。








あぁ…








彼はいつもふらりとやってきては
こうして私の心を掻き乱すのだ。












タナトスとオーギュストは、
タナ→オギュなのか、はたまたタナ←オギュなのか
非常に迷うところです。
タナ⇔オギュだと、「侵略する者される者」みたいになっちゃうしなぁ…。






2009⁄02⁄02(Mon) 22:23   .SoundHorizon ss | Comment(0) | | ↑Top


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(2012/01/19)
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