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ルシリ


ハリー・ポッターでルーピン×シリウスです。
でもこの二人は、ルシリルくらいがちょうどいい気もする。

時間的には『アズカバンの囚人』が終わったすぐ後くらい。

原作も読んでおりますが、元々が映画版ファンなので
激しく映画寄りですorz…多分。
色々間違えている部分がありましたらすみません;

性描写はキス+αくらいですが、苦手な方はご注意ください。










その二人は、かつての学び舎から遠く離れた、深い森の奥に身を潜めていた。
一人は脱獄犯で、もう一人は狼人間。
黒髪の男は薄汚れた囚人服を身に纏い、
鳶色の髪の男はくたびれたスーツを着用していた。
二人とも、とても人前を大っぴらに歩けるような人種ではなかった。
といっても、片方は少し前まで「先生」と呼ばれる職に就いていた筈だった。
今は自らその立場を退いたが、なにもこんな人気の無い場所に潜りこむ必要までは無い。
これまで通り、満月の晩だけ人前から姿を消せば話は済むのだ。





だが、彼は“親友”の傍で共に在ることを願った。





十二年もの間、独りきりにしてしまってきた、大切な親友の隣に。










「ッ――――…、はぁ…っ…」



草の生い茂った地面に横たわったシリウスが、声を殺した。
ルーピンはスーツのジャケットを脱ぎ、Yシャツはボタンを外していただけだったが、
親友の在りの儘の体温を求めたシリウスは、Yシャツの中に手を入れ、
彼の傷だらけの背中に、直接しがみ付いた。
シリウスは体内で、ルーピンが達したのを感じていた。
それとほぼ同時に、シリウス自身も絶頂を迎えていたわけだが。
ルーピンは、覆い被さる形でシリウスを見下ろしている。
二人の身体は薄らと汗ばんでおり、弾んだ呼吸音が静かな森に響いていた。



「……抜くよ…?」


「…あぁ」



淫猥な水音を立てて、ルーピンのソレがシリウスのナカから抜き出された。
熱いほどの熱が体内から消え去り、シリウスは急に心細さを覚えた。
すぐ目の前に親友がいるというのに、こうして温もりを感じているというのに、
また独りになってしまうのではないかという堪え難い不安に駆られる。
ルーピンの背に廻したシリウスの腕に、思わず力が籠められた。



「…シリウス?」


「…あ…すまない、大丈夫だ…。なんでも



なんでもない。
そう言いかけたシリウスの唇は、言葉を紡ぎきる前に、
ルーピンのそれで塞がれた。



「んっ……ふ…、ッ…」



優しく丁寧に施される口付け。
シリウスの心と身体を、再びじんわりと熱が包んだ。
まずい、とシリウスは思った。
つい今し方射精を果たしたばかりだというのに、また身体が反応している。
いくら久しぶりだからといっても、これではまるで唯の獣ではないか。
シリウスは自身の昂りを悟られぬうちにと、
ルーピンの身体を押し退け、横たえた身体を起こそうと試みた。
だが、ルーピンはそれを許さなかった。
肌蹴た囚人服の隙間から、ルーピンの傷付いた手が滑りこむ。



「んんッ…!はっ…、ちょ、リーマス…っ、待て…!」



思わず唇を離したシリウスが慌てて言う。
ルーピンはといえば、口許に柔らかい笑みを浮かべるだけで、
まるで相手にしていないようだった。
シリウスの身体と同じくらいに熱い手が、肋骨の浮き出た腹を滑る。
ぞく、と痺れにも似た感覚が背筋を奔った。
シリウスはいよいよ本気の抵抗を見せようと構えたが、
その時、胸の辺りを撫で上げていたルーピンの指が、不意にその動きを止めた。



「……これ…痛むかい、シリウス…?」



小さく尋ねた声は震えていた。
これ、と言われたのは、何か凶暴な獣にでも襲われたかのような、大きな傷痕。
今は出血こそしていないが、それでも酷い怪我であることは一目で判る。
シリウスもハリーもダンブルドアも何も言わなかったが、
これを付けたのが誰であるかを、ルーピンはよく知っていた。



「え?あぁ…いや、今はほとんど気にならないかな。心配するな」



そう言って、シリウスは微笑んだ。
傷に障らぬよう気遣いながら、ルーピンは己が裂いた痕跡に、ゆっくりと指を這わせる。
肩口から胸にかけて残ったその傷は、明らかに、生命を奪う意志を孕んだ傷痕だった。
ルーピンは心の内で呟く。





あぁ。私は、愛する親友を、確かに殺そうとしていたのだな。





「…私は…君を、傷付けてばかりだね…」



またか、と思う。
シリウスと親しくなってから、もう何度目のことだろうか。
それでも、彼はいつだって「心配するな」「大丈夫だ」と言って、笑ってくれた。
そして自分は、いつもその優しさに甘えている。
シリウスに対する申し訳ない気持ちと、自分に対する嫌悪の気持ちとが入り混じり、
ルーピンは唯、弱い笑みを口許に浮かべることしかできなかった。



「…リーマス」



ルーピンの自嘲的な微笑と、一連の動きを見守っていたシリウスが口を開いた。
ルーピンも、傷痕からシリウスへと視線を移す。
相変わらず哀しい目をする奴だと、シリウスは思った。



「私はアズカバンにいる間、憎しみだけを抱えて生きてきた。
 希望も、想い出も奪われて、それでも正気を保っていられたのは、
 唯、強い憎しみが残されていたからだ」



シリウスの声は静かで、落ち着いていた。
だがその瞳には、ほんの僅かではあるが、暗い影のようなものが宿されていた。
痛みとも恐怖とも絶望ともいえる、暗く深い影が。



「アズカバンを脱獄してからも、私はピーターに対する強い憎しみを抱いて生きていた。
 もちろん、ハリーを守りたいという気持ちもあった。
 だが、もしかしたら、
 あいつを殺してやりたいという想いの方が、ずっとずっと強かったのかもしれない」



ルーピンは、久方ぶりに再会したシリウスの狂気に満ちた瞳を、今でもよく覚えていた。
忘れられる筈がなかった。
シリウスの真っ直ぐな瞳が、大好きだったから。
だからルーピンは、シリウスに本当の自分を取り戻してもらいたいと願った。
シリウスを、永きに渡る孤独と絶望から救ってやりたい、とも。





それなのに、
救われているのは、いつだって自分の方だった。
今だって同じだ。
何も変わってなどいなかったのだ。
シリウスも、自分も。
学生時代(あのとき)から、何一つ。





ルーピンには、シリウスの静やかな声が耳に心地よく
そして、胸に痛かった。



「私は、狂っていたのかもしれない。
 もう少しで、“ひと”でないものになってしまっていたのかもしれない。
 だが、そんな私を救ってくれたのは、他でもない…リーマス、お前だったよ」



はっとして、ルーピンは思わず瞠目した。
自分を見つめたまま微動だにせぬ親友を見やり、
シリウスは穏やかな笑みを口許に浮かべた。



「叫びの屋敷で再会した時、私がどんなに“嬉しかった”か、お前に分かるか?
 お前が手をとってくれた時の“温もり”。お前が抱きしめてくれた時の“幸福感”。
 全部、お前が想い出させてくれた」



一呼吸置き、今一度ルーピンの瞳を見据えてから、シリウスが言った。





「私を救ってくれたのは、お前だよ。リーマス」





「……シリウス…でも、


「それに」



ルーピンは困惑と切なさの入り混じったような、今にも泣き出しそうな表情をしている。
そんな親友の声を遮るようにして口を開いたシリウスが、一つ咳払いをして続けた。



「…その、背中の引っ掻き傷は、一体誰が付けたんだ?」



ばつが悪そうに目を逸らして、だが子どものように悪戯っぽく言われた言葉に促され、
背中に手をやると、先程までは無かった筈の傷痕が、くっきりとそこに残されていた。



「お前が私を傷付けてばかり?そんなのは、お互い様だろう?」



傷痕だらけの身体に付けられた、新しい傷。
指でなぞると、軽い痛みと共に、微かな幸福感が指先から伝った。
今まで嫌悪の対象でしかなかった自分の身体。
ルーピンは初めて、この傷が痕になって残ればいいのにと思った。
自分が付けた傷のことを申告するのは、恥ずかしかっただろうに。
心なしか頬を赤く染め、目も合わせず、居心地悪そうにしている親友を見下ろすと、
ルーピンの口許にも思わず笑みが浮かんだ。



「…そうだね。おかしいな。君は“パッドフット”ではなかったかな?
 そんな鋭利な凶器が付いているような脚では、もうパッドフットとは呼べないな」


「肉球と爪は別物だろう。月も出ていないのに頭がトリップしたか、“ムーニー”?」



皮肉めいた口調とは裏腹に、
互いの言葉に悪意が籠っていないことは、二人にはよく解っていた。
ムーニー、パッドフット、そして“プロングス”。
互いに顔を見合わせると、二人はまるで学生時代に戻ったかのような気持ちで笑い合った。
喪ってしまったものや、手放してしまったものがあるように
変わらないものも、確かに存在しているのだ。





残されたものは、絶望だけではない。





ひとしきり笑った後、それを確かめるようにして、二人はどちらからともなく唇を重ねた。
互いの心に、温もりと愛おしさと微かな痛みが満ち溢れる。
呼吸するのも忘れて、二人は互いの熱を確認し合った。
深く、永く。
そして先程と同様に、どちらからともなく唇を離す。
静かな空間に、互いの弾んだ呼吸音だけが響いていた。



「……取り戻せるだろうか。喪った、大切なものを…」



静寂を破ったのはシリウスだった。
濡れた漆黒の瞳が、ルーピンを見上げている。
昔と変わらぬ、曇りのない、美しい瞳だった。
その言葉からは不安や悲しみも滲み出ていたが、
その瞳には、自信と希望に満ちた強い光が、確かに宿っていた。



「…あぁ。そして、新たに築いていくんだ。私たちの“大切なもの”を」



今一度、二人は互いを見やって、力強い笑みを浮かべた。
親友(とも)と一緒であれば、何だってできる。
そう信じて疑わなかった、かつての自分たちのように。







2009⁄07⁄28(Tue) 02:01   .その他 ハリー・ポッター | Comment(0) | | ↑Top


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(2012/01/19)
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